Global Eco-Science School 世界につながる 科学する心、表現する力

Otsuma Ranzan Junior and Senior High School

(校長室から)始業式 進路指導主任の話 「高い学識と文化的教養」

2017.08.25

校長室から

もうすぐ文化祭です。

文化祭を通じて、大妻嵐山の文化を発信し、大妻嵐山の文化的雰囲気を高めてください。

文化とは、より良く生きるための知恵の集積であり、生きることに価値をあたえてくれるものです。

学問と芸術は文化の頂点にあるもので、人生に知恵と美と感動を与えてくれます。

文化活動は新しい価値の創造です。

日本の目指す方向は、経済大国から文化大国へとかわってゆくべきです。経済的に豊かに生きることから、より良く生きることへの転換です。

文化大国とは、国民一人一人の文化水準が高く、一人一人が文化の創造者であり、担い手であることです。

同様に、大妻嵐山のめざすべき方向は、知的で文化的な学校であります。

それは、生徒一人一人の勉学に対する取り組みが高く、一人一人が嵐山の文化の担い手であることです。そして校内に知的・文化的雰囲気が溢れていることです。

私にとって文化について思い出深い場所の一つは、先日、痛ましいテロ事件があった、スペインのバルセロナです。

30年以上前、私はザクラダファミリア教会を観る為にバルセロナを訪れたのでバルセロナには思い入れがあります。ザクラダファミリアもテロの標的になっていましたが破壊を免れました。

アントニオ=ガウディ設計のザクラダファミリア教会は130年前に建設が始まり、今も建設が続いています。そこで39年間も、教会を飾る石の彫刻を作り続けている外尾悦郎さんという日本人がいます。

39年前、無名の彫刻家の外尾さんは、石の彫刻の研究をするために3ヶ月のヨーロッパ旅行に旅立ちます。たまたま訪れたバルセロナで建設中のザクラダファミリア教会に出会い「ここでやりたい」と思ったそうです。

そして彫刻制作チームに「私に彫らしてください」と申し出たそうです。何とか採用のテストにパスしましたが、最初はハポネス(日本人)としか呼ばれず、居場所がありませんでした。頑張って仕事をして、仲間として受け入れてもらい、名前で呼ばれるようになり、それから何年も頑張ってチームの信頼を勝ち取り、主任彫刻家になり、2013年にはザクラダファミリアのアートディレクターすなわち、教会の装飾全体の指導者になっています。

外尾さんは教会とともに未来に生き続ける彫刻を作ろうとしています。それは終わりの見えない取り組みです。「何時教会が完成するのですか」という問いにたいして外尾さんは「人の作る物に完成は無い。常に未完なのだ。」と答えています。その姿は「明日はもっと良いものをつくろう」と亡くなる前に言った設計者ガウディの姿と重なります。

3年生は進路に向けて頑張っています。進路とは何か?

自分の活動の場を見いだすことです。

現在、社会で活躍している方々の中で、現在の地位を最初から目指していた人の割合は1割いないそうです。殆どの人は偶然訪れたチャンスを掴んで、最初は想像もしていなかった場所で活躍することになっています。9月2日(土)の放課後のグローバルリンクス講演会でタイでご活躍中の大和様の講演があるので、是非聴いてください。

大切なのは、チャンスを見出せる人になること、見出したチャンスを生かせる人になることです。この人に仕事を任せたいと思われるような人になることです。

高い学識と文化的教養は、自分を生かし、社会に貢献するための大きな武器です。

受験勉強は、大学合格という目的だけでなく、高い学識と文化的教養を目指す第一歩でもあります。今の努力は将来に必ず生きます。

生徒のみなさん。

学ぶ事は終わることのない取り組みです。ザクラダファミリアの外尾さんは39年間学び続けてきて、これからも学び続けるでしょう。あなたたちも、勉学と文化活動に懸命に取り組んで、是非、自分の将来を切り開いて下さい。