Otsuma Ranzan Junior and Senior High School

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Socialstudies 社会

社会観を確立し、一人の自立した
女性として世界と向き合う。

社会科というと、日本史、世界史、地理、公共などの科目ごとに
重要事項を暗記するというイメージがあります。
大妻嵐山では、世界史、日本史、地理などの
各科目の独自性は踏まえつつも、
科目ごとに切り離された知識の暗記を超えて、
トータルにつながった一つの社会観を自分のものにしていきます。
一人の自立した女性として、
世界に向き合える人格の形成を目指します。

地域の地誌・歴史を学ぶ

学校が立地する嵐山町の地誌(地理)や歴史を学ぶことで、科目として学ぶ地理や日本史の知識と、自分たちが暮らす地域とのつながりに気づくことを重視しています。

夏休み職場体験で「仕事」について知って考える

中学2年の夏休みはキャリア教育の一環として、全員が2日間かけて2カ所の事業所に行き職場体験をします。普段の生活では見えてこない仕事の仕組みや実際について知って考えます。

模擬国連に参加して各国政府の役割を演じる

関東各地から毎年400人もの高校生が参加して開催されている模擬国連。生徒一人ひとりが各国政府やNGOなどの代表となり、メディアの役割も決めて、英語で交渉しスピーチします。大妻嵐山からは毎回20人程度の高校生が自主的に参加しています。

地元の嵐山町で成人式実行委員会に参加したり広報誌の編集に参加したり

教室内で学ぶだけでなく、本校が立地する嵐山町の成人式実行員会のメンバーとなって企画や運営に参加したり、町の広報誌の編集に参加したり、などの活動も積極的におこなっています。

選挙ボランティアも担います

選挙のタイミングによっては高校3年の18歳で選挙権の行使のときを迎えます。主権者教育の一環として、嵐山町選挙管理委員会による期日前投票の受付などのボランティアにも参加します。

歴史的な事件を自分で新聞にまとめる「歴史新聞」づくり

「本能寺の変」「関ヶ原合戦」などの歴史的な大事件を単に暗記するだけでなく、新聞記者になって記事を書き、1枚の新聞を一人ひとりが手描きでつくりあげます。工夫して人に伝えたことは深く理解できるので、いつまでも忘れません。

社会科で目指すことは、一人の自立した女性として
身につけておくべき社会観の形成です。

18歳選挙権により、在校中から主権者として判断し選択することが求められる時代に、大妻嵐山が社会科で目指すことは、一人の自立した女性として身につけておくべき社会観の形成です。

中学校で言えば、「歴史分野」「地理分野」「公民分野」、高校で言えば「世界史」「日本史」「地理」「公共」「政治経済」などの科目に分かれているため、個別科目の知識を暗記することだけが重視されがちですが、こうした科目間のつながりを生徒たちが自分の頭で考察し、「一つの社会観」として自分の中に確立していくことを、大妻嵐山では目指しています。

そのために、授業ではアクティブラーニングを取り入れ、授業で知ったことを考え、言葉にしていくことを重視。たとえば歴史的大事件について自分で記事を書き、手描きで「歴史新聞」をつくります。

また、地域の歴史や地誌(地理)を学ぶことから始まり、地域広報誌の編集や選挙ボランティア、模擬国連への参加などを通じて、次第に社会全体やグローバル社会へと視野を広げていく活動に力を入れています。

単なる知識の暗記を超えて、生徒自ら考察することで形成される社会観は、これからの大学受験において問われる「思考力・判断力・表現力」の育成につながっていきます。

社会で身につける力

中1 中2 中3
目標 【地理分野】
日本や世界の自然や
文化・社会への理解を深める
【歴史分野】
日本の歴史と世界の歴史の
つながりを理解する
【公民分野】
社会事象について
資料収集・選択・考察し、
判断・表現する
育成の方策 学習発表
アクティブラーニング
学習発表
歴史新聞(地域史)
新聞社説の読み取り
経験・体験 地域の地誌を学ぶ 地域史を学ぶ
夏休み職場体験
修学旅行
海外研修
首相官邸見学
地域行政や産業を学ぶ
高1 高2 高3
目標 【歴史総合】
世界と日本の歴史を
相互的な視野で捉える
【世界史探究】
世界の文化の多様性を理解
【政治経済】
グローバル時代を生きる
日本人として
国内外の構造を理解し、
課題解決能力を磨く
【日本史探究】
日本の社会の移り変わりを理解
【日本史A】
近代日本の成立を
世界史との関連で理解する
【地理探究】
世界・日本の自然・社会
について理解
【選択科目】
地歴演習、公民演習で
大学受験
合格できる知識、
表現力を高める
【公共】
多様な考え方について学び
主権者として必要な
知識・判断力を身につける
育成の方策 歴史新聞(世界史・日本史)
模擬選挙
歴史新聞(世界史・日本史)
模擬選挙
主権者教育
模擬試験分析
経験・体験 海外研修
選挙ボランティア
模擬国連
嵐山町広報誌編集への参加
修学旅行(海外)
海外研修
選挙ボランティア
嵐山町広報誌編集への参加
模擬国連
センター試験リハーサル

歴史を学ぶことの面白さと
醍醐味を知ってほしい

歴史を中心に担当。豊富な知識はもちろん
穏やかな人柄が生徒に信頼されています。
歴史新聞づくりの指導には特に熱心で、
生徒の歴史への関心を引き出すことに力を注いでいます。

創立者 大妻コタカ先生の慈愛に包まれて

気がつくと本校での教職生活も20年以上の年月が経ちました。大妻嵐山高等学校はこの20年間で実に大きく変わりました。進学のあり方、教科指導のあり方、生徒たちの気質など、さまざまな点で変わったと思います。しかし、一つだけ変わらないものがあります。それは、大妻コタカ先生の凛とした、それでいて慈愛に満ちた懐の深さに抱かれた時の流れ。これだけは変わることなく私たち教員と生徒を包んでくださっているように感じます。

歴史から私たちの進む道を学んでほしい

世の中は今、便利な道具がつぎつぎと作られ、私たちも初めはいぶかしみながらも結局は受け入れ、いつしかそれが当たり前になっています。そして、どちらかというと目に見える進歩や時間の短縮こそが成果としてもてはやされ、目に見えぬことを頭の中で探究することは人気がなく、文系学部廃止論まで飛び出しました。しかしこうした技術的な進歩は人間が成したことであり、多くの先人の努力の上にできたことなのです。人類の歩みの延長線上に咲いた花なのです。物質的な豊かさや快適さを追求してきた結果、地球が悲鳴を上げているというこの現実の中で、人間はもっと謙虚であるべきだと思います。今こそ、人類のここまでの来し方を振り返り、人間がどのように危機を乗り越えてきたか、あるいはなぜ危機を乗り越えられなかったのかを学ぶべきではないでしょうか。そして、教科書には名前が載ることもない無数の善良で実直な人々が、そのとき何を思い何を悩みながら人生を全うしたのかと考えてみることは、人間のおごりをたしなめてくれると同時に、私たちの進む道を示唆してくれるようにも感じます。

覚えるだけの「歴史」から、考える「歴史」へ

私は歴史を中心に教えていますが、日々の授業の中で生徒が新しい知識を習得することに追われてばかりいることに残念な思いを抱いています。せっかく考える力やまとめる力、発表する力などを十分に持っているにもかかわらず、基本的な知識の習得に終始してしまってはもったいないです。世界や日本の歴史を学び理解し知識を蓄えるのはとても大切なことですが、日本の歴史を世界の歴史の中にどう位置づけるか、その関連性をいかに組み立ててゆくか、こうした取り組みが今後求められる歴史教育であると思います。そしてこれこそが歴史を学ぶことの本質であり醍醐味です。知識をある程度頭に入れたならば、それらを用いて思考することこそが大切です。これからの社会を担ってゆく生徒に、そうした視点や姿勢をさらに育ててゆきたいと考えています。