Otsuma Ranzan Junior and Senior High School

文部科学大臣賞を受賞!高校1年岸さん【メディア掲載・読売新聞】

全国の中学生・高校生の科学研究を対象とした「第65回日本学生科学賞」において、岸  優夏さん(高1・サイエンス部)が『文部科学大臣賞』(全国2位)を受賞し、今年5月に行われる「国際学生科学技術フェア(ISEF)2022」へ日本代表として出場することが決まりました。

今回、表彰式はオンラインで行われたため、学校長より岸さんに盾が授与されました。

井上校長より盾の授与

 

また、先日には読売新聞からの取材を受け、1月25日(火) 読売新聞24面に研究概要に関する記事が掲載されました。

取材時の様子

質問に答える岸さん

 

受賞した研究のタイトルは「錬金術師の夢の改良-アルミ箔と界面活性剤を用いる方法-」です。

今回は、研究内容の詳細を紹介します。

岸さんは中学校時代、吹奏楽部に所属していましたが、大妻嵐山高校入学後に新たなことにチャレンジしたいと「サイエンス部」に入部しました。岸さんは、入部以降コロナによる活動自粛期間を除きほぼ毎日、「金属めっき」に関する研究を行いました。

銅板に亜鉛をめっきして銀色にし、さらに加熱することで金色の黄銅めっきにすることができます。この実験方法を「錬金術師の夢」といいます。黄銅(真鍮、brass)は金管楽器などに使用される合金です。

従来の実験は、亜鉛の粉末と水酸化ナトリウム水溶液または塩化亜鉛水溶液を用いる方法が一般的でした。

しかし、その方法では、実験後の粉末亜鉛に発火事故が起きる危険性がありました。

また、きれいなめっきを作ろうとするとめっき液の危険性が強くなり、その反対に、めっき液の危険性を下げるときれいなめっきが作れないという状況でした。

そこで岸さんは、「安全性が高く、きれいな亜鉛めっきを作る方法の開発」に取り組みました。

まず、発火の危険性がある粉末亜鉛を、家庭にもあるアルミ箔に変えることに成功しました。

さらに、電子顕微鏡(※1)による観察で、従来の方法できれいな亜鉛めっきができない理由として亜鉛が銅板に付着する泡にそって成長することが原因であることを発見しました。そこで、界面活性剤(洗剤の主成分)を加えることで、気泡の発生を防ぐことに成功しました。

今回の研究は、世界中で行われている亜鉛めっきの実験の安全性向上に貢献できます。また、新たなめっき法としての活用が期待できます。

 

※1 本研究で用いた日立卓上型走査電子顕微鏡Miniscope®TM4000PlusⅡは株式会社日立ハイテク様の理科教育支援活動によりお借りしました。ここに記して御礼申し上げます。