Otsuma Ranzan Junior and Senior High School

2019.12.21終業式の話(AIの時代に生きる)

2019.12.22

校長室から

2学期終業式の話(校長)

今朝、AIで手話通訳をサポートするというニュースが流れていました。聴覚に障害がある方にもしっかり情報を伝えてゆくために手話通訳の皆さんが活躍していますが、まだまだ数は少ない。すべての会議や情報に手話通訳が付けられているわけではありません。また、手話通訳の方の負担が増えていることなどを含め、課題解決のためにAIを活用することに北海道大学の先生方が取り組んでいるという話でした。多くのニュースや情報番組でAIによる手話通訳がつけば、聴覚障害の方々の情報入手困難の課題が改善する。素晴らしいことです。

さて、AIはもともと賢いわけではなく、今、いろいろな場面で人間の私たちがAIを学習させて(機械学習)賢くしているところです。AIにはずっと学習し続けれもらわなければなりませんが、私はAIは人間をこえることはできないと思っています。感情や、想像力、創造性、コミュニケーション力、読解力、(もしかしたら忖度も)などの人間にしかない力はたくさんあり、それを駆使しなければ進まないこと、解決できないことも山ほどあると思います。そう、AIにできる仕事はAIに任せて、あなたたちはAIを作る人、AIを使う人になってしまえばいいのでしょう。

そんな力を身に付けるためには、まずは読書なのだと思います。読んで、読んで、本も新聞もたくさんの文章を読んでほしいのです。先日中学生の一人と読書について話をしました。彼女はすばらしい文章が書ける人で、どんな本を読んでいるのか聞いてみました。「そんな沢山は読んでいないけれど、国語の教科書や、問題集に出てきた文章が面白いと思ったときには、その文章が引用された原文の本を読んでみている。」という返事でした。私も中高生のころ同じような読み方をしていたのを思い出しました。高2で「舞姫」を学習した時、原本を手に入れて全部読んだ、枕草子の一説を学んだあと枕草子を全部読んでみた、確かにそんな本の読み方をしていました。そして今も同じようにして本を探して読んでいます。皆さんの中にどんな本を読んだらいいのかわからないという人がいたら、一度そんな読み方をしてみたらどうでしょう。

さて、まだまだ日本社会では、女性の能力を生かす、能力開発をするという事に対して積極的ではないと思います。人口がどんどん減って労働人口も不足している現状に対応するには女性の労働脳力開発が必然なのになかなか動かない。先日新聞のコラムにも書きましたが、世界経済フォーラムの最新調査結果が発表されました。ジェンダーギャップが110位から、141位にさがり、ますます世界との差が開いてゆく。こんな状況でも、あなたたちには力をつけて女性の実力を発揮してほしいのです。これからDXが進む時代、意識ある女性にはチャンスの時代だと思います。自分で自分のことが決められる、決断力を持った人になるために、まずは読書から。

これから大学入試、進路決定に挑戦する高校3年生どうぞ全力で。進路が内定した3年生は、これから受験する人たちの頑張りに並走する同志として自分自身の高校生活の最後の学びを確実に。高2、高1、中学生は、進路決定に挑戦している先輩たちの努力を見本に、自らの学力を上げる努力を続けてほしい。良い冬休みを